心に寄り添うことの位置付け

このホームページは、令和4年6月13日に、全面的に改訂しました。

大きな改訂点の一つに、「心に寄り添うことの位置付け」があります。

以前のホームページでは、「依頼者の心に寄り添うこと」を前面に押し出していました。
「つらいあなたに寄り添う」
「依頼してくだされば、朝歯を磨いている時も、道を歩いている時も、いつもあなたのことを考えます。」
「付き添います。寄り添います。」
などのフレーズが随所に表われていました。

改訂後のホームページでは、事案を解決する能力を、前面に出しているつもりです。

この転換のきっかけになった本があります。

『新版 教えるということ』(大村はま著、ちくま学芸文庫)です。

これは、若手教員向けの研修会で、自身も教育者である著者が行った講演を集めたものです。

著者は言います。

<以下、ネタバレを含みます>

「私たち教師は、人間の力、人のよさ、子どもへの愛情、そういうものに自信をもち過ぎないで、そういったことはあたりまえというふうに考えて、教師でないとできない、といった技術をじゅうぶんに練りたいものです。」(151頁)

これは、教師も一個の職業人として腕を磨かないと、一人前の社会人として、人と肩を並べることはできない、という文脈で語られたものです。

良い人であることは当たり前。
依頼者の心に寄り添うことは当たり前。
それは前面に押し出して「売り」にする部分ではない。

依頼者が巻き込まれている紛争を解決することが弁護士の仕事。
そのための技術を持っていることこそが「売り」であるべきだ。

そんな思いからホームページを改訂しました。

改訂後、私が依頼者の心に寄り添っているかどうか。
それは、あなたがご判断ください
(もしよければ、ご感想を聞かせてください。汗)。

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