本の虫友達

「今、何読んでる?」

いきなりそう問いかけることのできる友人が、私には2~3人います。

先日も、そのうちの1人と通勤電車でバッタリ会いました。

私は挨拶もそこそこに、彼の手から、皮製のカバーが掛かった厚い文庫本を奪い取り、自分の持っていた文庫本を彼に手渡しました。

彼の持っていた本は、

『世界の歴史』(中公文庫)でした。

私は、彼が以前、中公文庫の『日本の歴史』を読んでいたのを知っています。
訊くと、『日本の歴史』も『世界の歴史』も再読、三読していて、「めっちゃ面白い」とのこと。
どちらも旧版で持っているそうなので、『日本の歴史』が全26巻、『世界の歴史』が全16巻です。

「チチカカコヘ」推しの私は、
「こういうのを文庫で出すのが中公の良えとこやわな。まあ、そんなことしてるから破綻するんやけど。文学全集は出すけど写真週刊誌は出さへん、いうような真面目な出版社は、いっぺんは破綻するわな。筑摩とか河出とか。」
など、知った気なことを言います。

その後、私がその時に持っていた、

『江戸に欠かせぬ創作ばなし』(岡本綺堂著・河出文庫)

の話や、その他の最近読んだ本の話をお互いにして、別れました。

彼は、電車の中だけでなく、お風呂の中でも本を読むそうです。
歴史ものの他、小説なども読みます。

「今、『千夜一夜物語』(バートン版・ちくま文庫・全11巻)読んでんねんけど、あれ、実はめっちゃエロいんな」
など、彼の読んだ本の話を聞くのも楽しく、また、私の読んだ本の話を彼が聞いてくれるのも嬉しい。

貴重な「本の虫友達」です。

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