チチカカコヘ

あなたは、「チチカカコヘ」をご存知ですか?

南米ペルーとボリビアの間にある「チチカカ湖」のこと?
と思われた方は、とても教養のある方ですね。

私がここで取り上げようと思っている「チチカカコヘ」とは、教養文庫を揃えるレーベルが、出版社の垣根を越えて打つフェアのことです。

チ・ちくま学芸文庫
チ・中公文庫
カ・角川ソフィア文庫
カ・河出文庫
コ・講談社学術文庫
ヘ・平凡社ライブラリー

文化的な価値は非常に高いから、絶やす訳にはいかない。
けれども、そもそも、バンバン売れる類の本ではない。出版社の中でも、力を入れてもらえないこともある。
であれば、出版社どうし競争するのではなくて、何か共同で仕掛けられないか。
そんな発想から始まったようです。

講談社と角川の担当者さんの呼びかけに集まった5社の頭文字を並べてみると「チチカカコ」
後から登場した平凡社を加えて「チチカカコヘ」

命名から平凡社が参加するまでのエピソードは、ネット検索で出てきます。とても面白いです。

私、この6社に対しては、思い入れがあります。

もともと、ちくま文庫は、私が一番大好きなレーベルです。
夏目漱石や芥川龍之介、太宰治などの個人全集、日本文学全集、文学の森シリーズ、哲学の森シリーズなど、文庫で全集なんて、そうそう売れるものではないのに発刊しようという気概に、憧れを覚えて、信頼を寄せています。
改めて本棚に並んでいるちくま文庫を数えてみると、60冊以上ありました(ちくま学芸文庫数冊を含む)。

以下、私の本棚にあるもののうち、その他のレーベルで代表的なものを挙げると、

中公文庫と言えば、谷崎潤一郎著『陰翳礼讃』『文章読本』『源氏物語』

角川ソフィア文庫は、「ビギナーズ・クラシックス日本の古典」シリーズの『方丈記(全)』『平家物語』『徒然草』

河出文庫では、遠藤周作著・狐狸庵シリーズ

講談社学術文庫は、夏目漱石著『私の個人主義』、下村湖人著『論語物語』

唯一、平凡社ライブラリーは読んだことがありませんでしたが、今回のフェアで、2冊買いました。

この6つであれば、レーベルに対する信頼から、安心して購入できます。
6社の「日本の文化を支えよう」という気概を、これからも応援していきます。

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