『生きるぼくら』(原田マハ著、徳間文庫)
を読みました。
このホームページに掲載しているエッセイの中で、本のタイトルがそのままエッセイのタイトルになっているものが、過去に1つだけあります。
『キネマの神様』
がそれです。
そのエッセイの中で、私は、こういう趣旨のことを言っています。
「本の内容を、自分の仕事や考え方に引き付けて考えることももどかしい程に感動して、オススメしたいのが、『キネマの神様』です。」と。
(よろしければ、エッセイ『キネマの神様』全体をお読みください)
またやられました。
『生きるぼくら』
講釈抜きで、オススメです。
書店でカバー裏を読んだ時には、半信半疑だったんです。
「(なんか感動させられそうな内容やけど、上っ面だけなぞったようなんやったら嫌やな。一人の作家さんで、
『本日は、お日柄もよく』(徳間文庫)
『キネマの神様』(文春文庫)
レベルのものは、そう連発できるもんではないでしょ。)」
そんなハードルを、易々と超えて、Sランクの感動を与える。
原田マハさんに、やられっぱなしです。
<以下、ネタバレを含みます>
どんな要素で感動したのか、あえて考えてみました。
① 登場人物の挫折や不安を丁寧に描きながら、すべてが回収されている。
② 親子、地域社会などさまざまな形での、人に対する思いやりが描かれている。
③ カッコイイ大人が複数登場する。
と並べてみて、改めて、これなら安心して物語世界に身を委ねられるわなと思いました。
最高の読後感を味わってください。