依頼者の真の利益

映画『I am Sam(アイ・アム・サム)』(2001年、アメリカ、ニューラインシネマ)
を観ました。

主演は、ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー。

サム(ショーン・ペン)は、30代の男性ですが、知的障害により7才程度の知能しかありません。
サムは一人で娘を育てますが、娘が7歳になったころ、施設が、サムには養育は無理だと言って、強制的に娘を里親に預けようとします。
サムから離れようとしない娘をめぐって、争いは法廷に持ち込まれ、敏腕弁護士リタ(ミシェル・ファイファー)がサムの代理人に付きます。

ショーン・ペンがとても良い!

『カッコウの巣の上で』のジャック・ニコルソン
『レインマン』のダスティン・ホフマン
『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンス

と並ぶ、名演技です。

子役も、日本のテレビドラマ『家なき子』の安達祐実さんを彷彿とさせる達者な演技です。

全編で、ビートルズ音楽が効果的に使われています。

とても感動的で楽しめたのですが、考えさせられもしました。

検事と弁護士が登場する場面です。

<以下、ネタバレを含みます>

施設側には検事が、サムには弁護士が付きます。

この2人が、また迫真の演技なのです。

証人や鑑定人の属性を暴いて信用性を減殺していく部分は、やり過ぎの感はありましたが、勝訴するためには手段を選ばないという姿勢をよく表現していました。

これに対して、サムは、どこまで行っても、人を憎むことをしません。

「子どもと一緒にいたい」
その1点だけを純粋に求め、目の前のことに取り組むのです。

弁護士って何だ?
代理人って何のためにいるんだ?
依頼者の真の利益とは?

映画を観た翌日から、ビートルズ音楽がヘビー・ローテーションする頭の中で、そんなことを考え続けています。

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